ボードゲームには2人用の作品もたくさんあります。
ここではそんな2人用のボードゲームの中の1つである『ジャイプル』を実際にプレイしてみた感想と、ゲーム内容についてまとめました。
2人用ボードゲームの中ではかなりオススメのゲームなので、購入を悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
『ジャイプル』の概要
『ジャイプル』はゲームが誕生してから10年以上経ちますが、今でも非常に人気の高いボードゲームです。2人用ボードゲームの定番ともいえる作品で、ボードゲーム初心者からマニアまで幅広く楽しまれています。
作品情報
プレイ人数 | 2人 |
プレイ時間 | 30分程度 |
対象年齢 | 12歳〜 |
発売年 | 2009年 |
参考価格 | 3,000円前後 |
「ジャイプル」は実在する歳で、インドのラージャスターン州の州都です。
『ジャイプル』のゲーム内容
ここからは『ジャイプル』がどういったゲームなのかを紹介します。
内容物
『ジャイプル』には下記の内容物が入っています。
品物カード | 44枚 |
ラクダカード | 11枚 |
品物トークン | 38枚 |
ボーナストークン | 18枚 |
ラクダトークン | 1枚 |
優秀の証 | 3枚 |
それぞれの内容物について紹介します。
品物カード
『ジャイプル』では各プレイヤーは商人となります。そして、各プレイヤーはこの「品物カード」を手に入れたり、売ったりすることでお金を稼ぐことになります。
その稼ぎの元となる「品物カード」には下記の7種類が用意されています。
品名 | 枚数 |
---|---|
ダイヤモンド | 6枚 |
金 | 6枚 |
銀 | 6枚 |
布 | 8枚 |
香辛料 | 8枚 |
布革 | 10枚 |
ラクダカード
「品物カード」と違って「ラクダカード」は売ることができません。その代わり、「ラクダカード」は他の品物と1対1で交換できます。
詳細については「ゲームの遊び方」にて解説します。
品物トークン
『ジャイプル』内のポイント源の1つとなるものです。
「品物カード」を売却することで「品物トークン」を獲得し、ポイントを稼いでいきます。
「品物トークン」には下記の6種類が用意されています。
品名 | 枚数 | ポイント |
---|---|---|
ダイヤモンド | 5枚 | 5〜7ポイント |
金 | 5枚 | 5〜6ポイント |
銀 | 5枚 | 5ポイント |
布 | 7枚 | 1〜5ポイント |
香辛料 | 7枚 | 1〜5ポイント |
布革 | 9枚 | 1〜4ポイント |
各品物にはポイントが付いていますが、表を見てもわかるとおりダイヤモンドが一番ポイントが高く、下に行くほどポイントが低くなります。
- 同じ品物でも価値が異なる
各品物には複数枚トークンが用意されていますが、銀以外は同じ品物でも価値が異なります。では、価値の高いトークンを手に入れるにはどうしたらよいか。それは早く売却することです。品物が溢れてくると価値が下がるということですね。 - 「品物トークン」の枚数が「品物カード」より少ない
表を見比べてみるとわかるとおり、「品物トークン」の方が1少ないです。つまり、「品物カード」の最後の1枚は何の価値にもならないということです。
ボーナストークン
『ジャイプル』内のポイント源の1つとなるものです。
「品物カード」を売るときに、同じ品物を3枚以上同時に売ると獲得できます。
ボーナストークン | 枚数 | ポイント |
---|---|---|
3枚売却ボーナストークン | 7枚 | 1〜3 |
4枚売却ボーナストークン | 6枚 | 4〜6 |
5枚売却ボーナストークン | 5枚 | 8〜10 |
獲得できるポイントは「5枚売却ボーナストークン」が多いですが、その分狙うのが難しいです。また、同じ種類のボーナストークンであっても、獲得できるポイントに少しムラがあります。ここは運が絡んできます。
ラクダトークン
『ジャイプル』内のポイント源の1つとなるものです。
ラウンド終了時に「ラクダカード」を多く持っていたプレイヤーが獲得できます。
優秀の証
『ジャイプル』の最終的な勝者を表すための目印となるものです。
『ジャイプル』は2ラウンド先取で勝敗を決めるゲームなので、最大3ラウンド行うことになります。
この「優秀の証」は各ラウンドの勝者が獲得できます。したがって、「優秀の証」を2枚集めたプレイヤーが勝者となります。
ゲームの遊び方
内容物を解説したところで、次は遊び方について紹介します。
プレイ人数
このゲームは2人専用のゲームです。
2人用に特化しているだけあって、非常に白熱したゲームが楽しめますよ。
目的(勝利条件)
各プレイヤーは商人となって品物を入手し、入手した品物を売却してポイントを稼ぎます。
ラウンド終了時に所持ポイントの多いプレイヤーが、そのラウンドの勝者となります。
しかし、このゲームでは2ラウンド先取した方がゲーム全体の勝者となります。
つまり、運だけで1ラウンド制したとしても、ゲーム全体の勝者にはなれないということです。
商人としてのスキルが問われるゲームと言えるでしょう。
ゲームの準備
ゲームの準備は手順を見ると時間が掛かりそうに見えますが、2〜3分もあれば準備できます。
- 「ラクダカード」を「市場」に3枚表向きに並べる
- 残りのカードをシャッフルして、各プレイヤーに5枚ずつ配って手札とする
- 残りのカードは裏向きの山札として配置して、山札から2枚めくってラクダの隣に並べる
- 手札にラクダがある場合、ラクダを表向きにして「家畜置き場」に置く
- 品物トークンを種類別に分け、降順(価格が高い物が上)になるように重ねて置く
- ボーナストークンを種類別に分け、シャッフルして置く
- 先手プレイヤーを決める
先手プレイヤーの決め方は、1ラウンド目はジャンケンなどで決めて、2ラウンド目以降は前ラウンドの敗者となります。
ゲーム進行のアクション
手番が回ってきたプレイヤーは下記4つのアクションの中から選択することで、ゲームが進行します。
- 市場の「品物カード」を1つ取る
- 市場の2枚以上の「品物カード」と交換する
- 市場の「ラクダカード」をすべて取る
- 「品物カード」を売却
市場の「品物カード」を1つ取る
場には最大で5枚の「品物カード」が出ていますが、この「品物カード」を1枚だけ取ります。
カードを取ったら、山札から1枚補充します。
手札として持てるカードの上限は7枚まで!
ただし、家畜の「ラクダカード」は手札の枚数には含めません。
市場の2枚以上の「品物カード」と交換する
市場にある「品物カード」を2枚以上取り、代わりに自分のカードを補充します。
補充するカードは「品物カード」でも「ラクダカード」でも可能で、それらの組み合わせでも構いません。また、交換するカードは種類が異なっていても構いません。
- 「取るカード」と「補充のカード」に同じ種類があってはいけない
たとえば、「【金と布革】を取って、【ラクダと布革】を補充」は「布革」が重複しているので交換できません。 - 1枚だけで交換することはできない
市場の「ラクダカード」をすべて取る
市場に出ている「ラクダカード」をすべて取って、自分の家畜置き場に加えます。
ラクダカードを取る場合、すべてを取らなければならない
たとえば、場に3枚の「ラクダカード」が出ている状態でこのアクションを選択した場合、3枚取らなければなりません。「1枚だけ」とか「2枚だけ」みたいなことはできません。そして、空いた分だけ山札から補充します。
「品物カード」を売却
カードを売却する場合、プレイヤーは自分の手札にある品物を売却できます。
「品物カード」を売却したら、その枚数分だけ「品物トークン」を獲得できます。
- 「ダイヤモンド」、「金」、「銀」の売却は最低でも2枚以上同時でなければならない
「布」、「香辛料」、「布革」は1枚でも売却できます。 - 各手番の売却は1種類の品物だけ
売却は1種類しかできず、【「布」と「香辛料」を同時に売却する】といったことはできません。
さらに売却にはボーナスが付く場合もあります。
これは3枚以上の「品物カード」を同時に売った場合、ボーナスを獲得できるというものです。
- 3枚売却 → 3枚売却ボーナストークン獲得
- 4枚売却 → 4枚売却ボーナストークン獲得
- 5枚売却 → 5枚売却ボーナストークン獲得
なるべくまとめて売った方がボーナスによる大量得点が期待できます。
しかし、その分手札を圧迫しますし、相手に価値の高いトークンを取られる可能性も上がります。
ゲーム進行上の注意点
ゲームを進める上での注意点を説明します。
- プレイヤーは自分が所持しているラクダカードの枚数を相手に教える必要はありません。
「ラクダトークン」の獲得に関わってくるので結構重要ですよ! - 売却時、売却するカードの枚数より品物トークンの枚数が少ない場合があります。この場合でも、売却するカード枚数に応じたボーナストークンを獲得できます。
ラウンドの終了条件
ラウンドの終了条件は下記の2つのどちらかを満たした瞬間となります。
- 「品物トークン」の残りが3種類になった
- 市場の空きスペースに埋める山札がなくなった
勝敗の決定
ラウンドが終了したら得点計算を行い、そのラウンドの勝敗を決定します。
- 自分の家畜にある「ラクダカード」が多いプレイヤーは「ラクダトークン」を受け取る
なお、「ラクダカード」の枚数が同じ場合は、どちらもプレイヤーも「ラクダトークン」を受け取ることはできません。 - 各プレイヤーは自分が受け取ったトークンを裏返して合計し、所持金額が多いプレイヤーが「優秀の証」を1枚受け取る
なお、両者の所持金額が同額の場合、ボーナストークンの所持数が多い方が「優秀の証」を受け取ります。それも同数の場合は、品物トークンの枚数が多い方が「優秀の証」を受け取ります。
感想
ここからは『ジャイプル』をプレイしてみた感想をまとめます。
2人用ボードゲームとしての完成度が高い
2人用のボードゲームはたくさんありますが、この『ジャイプル』はそれらの中でも完成度が高い作品に仕上がっていると感じました。2人用ゲームだとゲーム進行に傾向が出てきて、慣れてくると同じようなゲーム展開になるものもあります。
しかし、『ジャイプル』はゲーム展開が多様で、毎回異なった展開を楽しめます。そのため、飽きに強いかなという印象です。
また、2〜4人用ゲームといった多人数用ゲームを2人で遊ぶと、どうしてもバランスの悪さなどを感じる場面がありますが、『ジャイプル』は2人専用なので非常にバランス良く楽しむことができます。
戦略性と運要素のバランスが絶妙
『ジャイプル』は戦略性の高いゲームです。なぜなら、『ジャイプル』最初に配られたカード以外は、相手がどんなカードを持っているか把握できるからです。そのため、相手の狙いを考えながら品物を売ることができます。
たとえば、相手が「布革」を集め始めたらボーナス狙いだということが察知できます。ということは、そのボーナスを妨害するために「布革」を取らせない戦略をとる必要があります。
このように『ジャイプル』は戦略を立てて、相手の狙いを妨害しつつ、良きタイミングで品物を売りさばいていくことが重要です。
しかし、それと同時に運も必要になってきます。たとえ戦略を立てても、その戦略が成就するかどうかは、最初の手札と山札から捲ったカードに依存します。
このように戦略性と運要素のバランスが上手く組み合わさっているのが『ジャイプル』の特徴と言えます。
ラクダの存在が奥深さを演出
『ジャイプル』の特徴的な要素として、「ラクダ」の存在が挙げられます。
「ラクダ」自体には価値がありませんが、品物と交換することができたり、ラウンド終了時に「ラクダトークン」をもらうことができたりと、ポイントを稼ぐ上で重要な要素になっています。
「ラクダを制する者が『ジャイプル』を制する」と言っても過言ではなく、ラクダを集めるタイミング、ラクダを使って自分の欲しい品物を一気に獲得するなど、計画立てて使うことでゲームを有利に進めることができます。
このラクダの存在が、一見単純そうな『ジャイプル』というゲームに奥深さを持たせています。
サクッと楽しめる
1ラウンド辺り10分くらいでおわるので、長くても30分程度で勝敗がつきます。そのため、「ちょっとした隙間時間にボードゲームを楽しみたい!」という要望に応えてくれるゲームです。
だからといって物足りなさを感じるかと言えばそんなことはありません。短い時間でおわりますが、内容はとても濃くて充実しています。ゲームの楽しさがぎゅっと詰まった作品と言えるでしょう。
カードの質がイイ
アナログなゲームを購入するときは、内容物の質も気になりますよね。
「品物トークン」については厚紙に印刷をしたものという感じで、まあ普通かなといった印象です。しかし、カードは少し材質が良い物を使っています。
ただの紙ではなく少しプラスチックのような張りのあるカードになっています。また、両面とも少し加工がされており、手触りの良い仕上げになっています。
ちょっとした違いですが、こういった質の良い物が入っていると、「アナログゲームを買って良かったな」と感じますよね。
まとめ
『ジャイプル』は初めてボードゲームを購入するという方でも、安心して簡単に楽しむことができるボードゲームです。『ジャイプル』を購入することでボードゲームのおもしろさにハマり、ボードゲームの沼にハマってしまうかもしれませんよ(笑)
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