MSI B350 TomahawkでRyzen 5000シリーズが動く件

本記事は2022年4月時点の情報です。
2022年7月15日にMSI公式ページにて、BIOS「7A34v1Q7」が公開されました。
「7A34v1Q7」の更新内容に「Update to AGESA ComboAm4v2PI 1.2.0.7.」とあるので、こちらのBIOSを使うことで『Ryzen 5000』シリーズを動作させることができます。

したがって、本記事の情報は参考程度にして頂ければと思います。

Ryzenの最新シリーズ『Ryzen 5000』ですが、このCPUをマザーボード『MSI B350 Tomahawk』に載せてみたところ、なんとあっさり動いてしまいました。

ここではその方法と制限・不具合について解説するので、

300シリーズのマザボでRyzen 5000シリーズ動かないかな〜

という方は参考にしてみてください。ただし、メーカーの正式なサポートではないので、試す際は自己責任になることは留意しておいてください。

目次

背景

AMDのCPU『Ryzen』シリーズは初代からAM4ソケットというCPUソケットを採用しています。これは最新の『Ryzen 5000シリーズ』(Zen3)でも同様であり、ソケットの形状的には搭載することが可能です。

しかし、調べてみたところ、AMDから各マザーボードメーカーに対して「Ryzen 5000シリーズを第1世代のマザーボード300シリーズではサポートしないように!」という警告が出ており、各マザーボードメーカーはRyzen 5000シリーズをサポートするBIOSを提供できない状態にあります。

んが…

メーカー

でも、使えるならユーザーに使わせてあげたい…

という思いがあるのか、非公開ではありますが各メーカーから300シリーズのマザボでありながら『Ryzen 5000』シリーズに対応したBIOSを配布している、というのが2022年4月時点の状態です。

なお、2022年3月にAMDは300シリーズのRyzen 5000対応に関する発言を撤回し、300シリーズでも『Ryzen 5000』シリーズをサポートしていい旨を発信しています。

したがって、今後は正式にRyzen 5000シリーズに対応したBIOSが出てくることでしょう。

動作環境及び手順

ここからは実際に動かした環境及び手順について紹介します。

動作確認環境

動作確認を行った環境は以下の通りです。

動作環境
CPU旧:AMD Ryzen 7 1700
新:AMD Ryzen 5 5600X
マザーボードMSI B350 Tomahawk
グラフィックボード玄人志向 GG-RTX3060Ti-E8GB/DF
メモリCORSAIR DDR4-2666MHz VENGEANCE LPX Series 8GB×4
(CMK16GX4M2A2666C16)
OSWindows 10 Pro
メーカー:AMD<br>相場価格:32,000円前後

動かすまでの手順

MSI B350 Tomahawk』で『AMD Ryzen 5 5600X』を動かすためにやったことは以下の2つだけです。

  1. BIOSアップデート
  2. CPU差し替え(当たり前)

まずBIOSのアップデートですが、『MSI B350 Tomahawk』の場合、アップデートするBIOSのバージョンは「7A34v1Q2」となります。

で、このBIOSですが、公式では現在すでに非公開となっています。

ですがリンクは残っています。以下がそのリンクになります。(MSIの公式サイトリンクなので安心してください)

https://download.msi.com/bos_exe/mb/7A34v1Q2.zip

ちなみに、2022年4月5日時点の最新BIOSは「7A34v1OU」ですが、こちらのBIOSにアップデートして試したところ動きませんでした。多分何かしら圧力が掛かって、『Ryzen 5000』シリーズ対応を抜いたのだと思われます。

BIOSのアップデート手順は公式サイトの手順を参考に行えば簡単にできます。

https://jp.msi.com/support/technical_details/MB_BIOS_Update

CPUの差し替えですが、こちらは自作をしたことがあるのであればあっさり交換できるかと。

動作結果

ここからは実際に動かしてCPUが認識され動いたこと。動いたけど制限もあったので、その制限についてまとめておきます。

マジで動いたぞ!

驚くことにあっさりと動いたわけですが、その時のCPU-Zを載せておきます。

タスクマネージャーから見てもちゃんと認識されており、各コアがしっかり稼働していることがわかります。

制限事項

ほぼ正常に動作した『AMD Ryzen 5 5600X』ですが、1点だけ制限がありました。

それはUSB3.0です。『MSI B350 Tomahawk』のバックパネルにある端子で、以下の画像で黄色で囲っているUSB端子はデバイスを認識しなくなります。

フロントパネル用のUSB端子やバックパネルのUSB2.0の端子は認識するので、USBハブを使うことで端子不足を補うことはできますが、USB3.0の速度が欲しいといった場合は注意が必要です。

それ以外の部分に関しては、2か月余り動作させてきましたが問題はありませんでした。

まとめ

というわけで、無事300シリーズのマザーボードで『AMD Ryzen 5 5600X』を動作させることができました。

海外のサイトを調べると他メーカーのマザーボード、Ryzen 5000シリーズでも動作報告があがっているので、かなり広範囲で対応が進んでいるようです。

ただ、どのメーカーも公式には公開していないので、どれも自己責任になるということは気を付けなければなりません。

なお、安心して動かしたいのであれば、以下のような500シリーズのマザーボードを購入した方がよいでしょう。

メーカー:MSI<br>相場価格:16,000円前後
メーカー:ASUS<br>相場価格:15,000円前後
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 大変ためになる情報ありがとうございます。
    B350で5000番台が使えるとはビックリです。

    環境
    CPU:Ryzen1700
    MB :MSI B350 Tomahawk

    質問内容
     7A34v1Q2が正常に入るか5000番台購入前に入れてみました。
     無事インストールする事が出来て一安心です。
     所で、旧Biosに戻す際に以下のメッセージが出てきて戻りません。
     7A34v1Q7にアップグレードする事は出来ました。
     すると、7A34v1Q2に戻す事も出来なくなりました。

     戻す方法はご存じないでしょうか。

    【メッセージ】
    for providing better bios functionality and quality, the system will not allow to restore bios with older version after flashing target bios

    レストアして対象のbiosをフラッシングする様なメッセージです。

    ご存じならばご教授を宜しくお願い致します。

    • 福本 裕之様

      有益なコメントありがとうございます。
      最近のBIOS状況をウォッチできていなかったのですが、新しいBIOSが出ていたのですね。

      さて、件のBIOS「7A34v1Q7」ですが、こちらのアップデート内容を確認したところ、「Update to AGESA ComboAm4v2PI 1.2.0.7」とあり、「AGESA ComboAm4v2PI 1.2.0.7」に対応したBIOSになります。

      「AGESA ComboAm4v2PI 1.2.0.7」に対応したということは、AMDの最新CPUはすべて動作するはずです。したがって、「7A34v1Q7」でも5000番台は動作するはずなので、わざわざ「7A34v1Q2」に戻す必要はないと思います。(Beta versionなのが気になりますが、「7A34v1Q2」よりはマシなはず)

      こちらの記事内容についても追記でその旨を記載しておこうと思います。
      重ね重ね有益な情報ありがとうございます。

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