Chromebookに搭載されているOS『ChromeOS』は高速かつ軽快に動作します。
そのため、PCのスペックが多少低くても、問題なく使えると言う点が特長の1つとなっています。
しかし、実際にChromeOSを搭載した『Lenovo IdeaPad Duet Chromebook』を使ってみたところ、

メモリ4GBって厳しくね?
と感じました。

ここではどういった用途の場合、メモリ4GBだと何が厳しかったのかを説明し、結果としてメモリを8GB以上にした方が良い理由を解説します。
メモリ4GB搭載Chromebookで感じた不満と原因
まずはメモリ4GBのChromebookで感じた不満について紹介します。
不満を感じた『Lenovo IdeaPad Duet Chromebook』の処理性能に関わるスペックは以下の通り。
OS | Chrome OS |
プロセッサー | MediaTek Helio P60T プロセッサー (8コア) |
メインメモリ | 4GB |
ストレージ | eMMC 128GB |
このChromebookで感じた不満は以下の通り。
- アプリ切替が遅い
- ブラウザのタブ切替が遅い
- アプリがフリーズする
これらの不満を感じたとき、Chromebook上では以下のアプリを同時に立ち上げていました。
- Chromeブラウザ(タブ10個程度)
- Linux
- Visual Studio Code
- Twitterアプリ
そして、これらを立ち上げた状態のときのメモリ状況は以下の通り。

ちなみに起動した直後(アプリを1つも立ち上げていない)のメモリ状況は以下の通り。

このメモリ状況で注視すべき点は、「Memory」の「Used Swap」と「Zram」の項目全体です。
ChromeOSではメモリが不足すると、長く使われていないメモリ領域を圧縮してZramにスワップアウトします。
イメージ的には以下の通り。(例:YouTubeを起動したときにメモリが足りなかった状況)

スワップアウトしたメモリは、再び使うときには圧縮したもの展開してメモリへ配置する必要があります。
このとき、メモリが不足すると、他のメモリ領域が圧縮されます。イメージ的には以下の通り。

Zramの仕組み自体はメモリ不足に対して非常に優れた対策ですが、それでも高頻度にスワップアウトが発生すると挙動が遅くなり、おおよそ快適とは言えない状態になります。
さて話を戻して、複数のアプリを立ち上げたときのメモリ状況を見てみると、Used Swapが3.21GBとなっています。つまり、Zramが多く使われていることがわかります。
この状態でアプリの切替やタブの切替を行うと、Zramの圧縮・展開が頻発することになり、切り替えが遅くなったりフリーズしたりするわけですね。
メモリ8GB以上あれば安心な理由
不満を感じた用途の場合、4GBだとスワップアウトが多発していたわけですが、8GBだとどうでしょうか。

「Used Memory」が3.52GB、Used Swapが3.21GBなので、合計すると7GB弱であることがわかります。つまり、8GBあればスワップはほとんど発生せず快適な環境になりそうです。
不満を感じたときの用途に、あまり一般的ではない Linux / Visual Studio Code がありますが、これらが他のアプリ(例えばGmail、YouTube、Googleフォトなど)に置き換わったとしても、同様にメモリ不足に悩まされるでしょう。
したがって、4GBはほとんどの用途においてカツカツであり、8GBあった方が安心であると言えます。
メモリ8GB以上搭載のおすすめChromebook
ここからは、メモリ8GB以上を搭載したおすすめのChromebookについて紹介します。
購入検討の参考にしてみてください。
Lenovo IdeaPad Duet 560 13.3インチ
『IdeaPad Duet 560』のスペックと特長は以下の通りです。
プロセッサ | Qualcomm® Snapdragon™ 7c Gen2 動作周波数:2.55GHz コア数:8コア |
メインメモリ | 4GB/8GB |
ストレージ | eMMC 128GB/256GB |
ディスプレイ | 13.3型 FHD OLED マルチタッチ対応(10点) 光沢あり |
インターフェース | USB3.0(Type-C) x2 |
無線LAN | IEEE 802.11ac/a/b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth v5.1 |
スピーカー | ステレオスピーカー(1.0Wx4) |
マイクロホン | デジタルアレイ マイクロホン |
内蔵カメラ | インカメラ:500万画素 アウトカメラ:800万画素 |
重量 | 本体のみ:700g フォリオキーボード&スタンドカバー装着時:1.2kg |
バッテリー使用時間 | 約15.5時間 |
- 2-in-1でタブレットとノートPCのどちらにも対応
- OLEDによる100% DCI-P3でリアルな色彩と完全な黒を再現
- 4つのスピーカーによるクリアなオーディオ
- インカメラとアウトカメラにより様々な用途に対応
全体的にバランスが取れたスペックであり、2-in-1により利便性も高いChromebookといえます。
また、ディスプレイとスピーカーにも力を入れている製品であるため、これを選んでおけばほとんど問題ないでしょう。
ASUS Flip CM1(CM1400) 14インチ
『Flip CM1(CM1400) 』のスペックと特長は以下の通りです。
プロセッサ | AMD 3015Ce プロセッサー 動作周波数:1.2GHz/2.3GHz コア数:2コア |
メインメモリ | 8GB |
ストレージ | eMMC 64GB |
ディスプレイ | 14型 ワイドTFTカラー液晶 FHD マルチタッチ対応(10点) 光沢あり |
インターフェース | USB3.2(Type-A/Gen1) ×1 USB3.2(Type-C/Gen1) ×2 microSDカードスロット x1 |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | Bluetooth v5.0 |
スピーカー | ステレオスピーカー(2Wx2) |
マイクロホン | アレイマイク内蔵 |
内蔵カメラ | インカメラ:92万画素 アウトカメラ:503万画素 |
重量 | 約1.65kg |
バッテリー使用時間 | 約11.6時間 |
- 360°回転するヒンジで多彩なスタイルに対応
- 豊富なインターフェース
- キーストロークが1.4mmのフルサイズキーボードを搭載
- インカメラとアウトカメラにより様々な用途に対応
若干ストレージの少なさが気になりますが、Chromebookは基本的にクラウドへデータを置くので、それほど問題にはならないでしょう。
それよりも360°回転するヒンジによる多彩なスタイルへの対応、豊富なインターフェースにより、非常に利便性に優れたChromebookとなっています。
まとめ
ChromeOSは確かに4GBでもそれなりに動作します。しかし、快適かと言われればそんなことはありません。
快適に使い続けたいのであれば、8GBを搭載したChromebookを購入した方が良いでしょう。

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