WSLのインストール方法を現役エンジニアが丁寧に解説

プログラミングの開発環境を整えたりするには、やはりLinuxマシンがあると楽。でも、仮想環境を作るのは面倒と感じる方もいるでしょう。

そんな人のためにMicrosoftが用意したのが「WSL」です。ここではWSL(バージョン2)のインストール方法を紹介します。

なお、各ディストリビューションのWLSバージョンが何になっているか確認したい場合は、下記記事を参考にしてください。

目次

WSLとは

WSLは「Windows Subsytem for Linux」の略称で、「Windows10」上で互換性の高いLinux環境を実現するために、Windowsに導入されたツールです。

VirtualBoxやVMwareといった仮想化アプリを使わなくても簡単にWindows上へLinux環境を構築できるので、プログラミング環境を簡単に構築したい人などは、とりあえずインストールして有効化しておくと良いでしょう。

WSLには2021年12月時点で、下記2つのバージョンがあります。

WSLのバージョン
  • WSL 1
  • WSL 2

基本的に新バージョンのWSL2の方が機能性に優れるので、ここではWSL 2を使えるようにする手順を紹介します。

また、WSL上にLinuxのディストリビューションをインストールして使うのですが、Linuxの主要なディストリビューションは用意されています。

WSL上で動作する主要なディストリビューション
ディストリビューション料金
Ubuntu無料
Debian無料
Kali Linux無料
SUSE Linux Enterprise Server無料
openSUSE無料
Fedora Remix for WSL1,150円

WSLをインストールする手順

ここからWSLのインストール手順を説明しますが、WSLのインストール手順は2通りあります。Windowsのバージョンによって変わるので、まずは、インストールしているWindowsのバージョンを確認します。

コマンドプロンプトを開いて、以下のコマンドを入力します。

ver

すると、以下のように今インストールされているWindowsのバージョンが出てきます。(コマンドプロンプトを立ち上げた時にもWindowsのバージョンは出るので、それで確認しても良い。)

例:この場合は「Windows10」 で ビルド「19043」

インストールされているWindowsが「Windows 10 バージョン 2004 以降 (ビルド 19041 以降) または Windows 11」の場合、【方法1:WSLを自動インストール(簡単でおすすめ)】でインストールしてください。

それ以外の場合、【方法2:WSLを手動インストール】でインストールしてください。

方法1:WSLを自動インストール(簡単でおすすめ)

1つ目の方法は、コマンド入力することで自動的にWSLをインストールできます。非常に簡単なのでWindowsのバージョンが満たしているのであれば、断然こっちの方法がおすすめです。

方法は簡単でコマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを入力します。

wsl --install

たったこれだけで、WSLの有効化から最新 Linux カーネルのダウンロード、Linuxディストリビューションのインストールまで実行されます。デフォルトでインストールされるディストリビューションは「Ubuntu」になります。

「Ubuntu」以外のLinuxディストリビューションをインストールしたい場合は、以下のコマンドでインストールできます。

wsl --install -d <Distribution Name>

たとえば、「Debian」をインストールしたい場合は、以下の通りです。

wsl --install -d Debian

以上でWSLのインストールは完了です。

方法2:WSLの手動インストール

Windwosのバージョンが自動インストールの条件を満たしていない場合、以下の手順でWSLをインストールします。

手順1:Windowsのバージョン確認

WSL 2を使うにはWindowsのバージョンが下記を満たしている必要があります。

  • Windows 10 バージョン 1903(OSビルド 18362.1049)
  • Windows 10 バージョン 1909(OSビルド 18363.1049)
  • Windows 10 バージョン 2004以降

もし条件を満たしていないのであれば、Windowsアップデート実施してバージョンアップしてください。

手順2:WSLの有効化

WSLはデフォルトでは無効化されています。そのため、WSLを有効にする必要があります。

まずは「Windowsの機能の有効化または無効化」という画面を開きます。デスクトップ画面の左下にある「ここに入力して検索」の部分に「Windowsの機能」と入力すると開くことができます。

「Windowsの機能の有効化または無効化」のウインドウが開いたら、下記項目のチェックボックスをオンにしてOKをクリックしてください。

  • Linux用Windowsサブシステム
  • 仮想マシン プラットフォーム

すると再起動が促されるので、「今すぐ再起動」をクリックして再起動しましょう。

手順3:WSLのデフォルトバージョンを2に変更

この後、Linuxのディストリビューションをインストールしますが、その前にインストールするディストリビューションをWSL 2のものにするための設定が必要になります。

まずコマンドプロンプトを開きます。デスクトップ画面の左下にある「ここに入力して検索」の部分に「cmd」と入力すると開くことができます。

コマンドプロンプトが開いたら、下記コマンドを実行します。

wsl --set-default-version 2
コマンドプロンプトに入れるとこんな感じ。

手順4:ディストリビューションのインストール

Microsoft Storeを開いて、WSL用のLinuxディストリビューションをインストールします。

まず「Microsoft Store」を開きます。デスクトップ画面の左下にある「ここに入力して検索」の部分に「Microsoft Store」と入力すると開くことができます。

「Microsoft Store」のウインドウが開いたら、「WSL」で検索を行います。するとLinuxディストリビューションがズラッと出てくるはずです。どれを選べば良いか分からない場合は、「Ubuntu 20.04 LTS」を選んでおけばOKです。

Ubuntu 20.04 LTSを選択する
「入手」をクリックしたらインストールが始まります。

手順5:インストールしたディストリビューションの起動

ディストリビューションのインストールが完了したら、後は起動するだけです。初めて起動すると初期化が始まり、ユーザー名とパスワードの設定が始まるので、ご自由に設定してください。

「Ubuntu 20.04 LTS」をインストールした場合であれば、デスクトップ画面の左下にある「ここに入力して検索」の部分に「Ubuntu」と入力すると開くことができます。

Ubuntuをインストールした場合
起動するとこんな感じのウインドウが立ち上がる

以上でWSLのインストールは完了です。

まとめ

WSLはとても便利な機能なので、Windows環境でプログラミングを行ったりするのであれば、とりあえず有効化してインストールしておくと良いでしょう。必ず役に立つはずです。

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